はじめに
・英文を読むのが遅くてTOEICやセンター試験などの試験で問題が解き終わらない
・英文を一回読んだだけでは意味が分からないので何回も読んでしまい、時間がかかる
・洋書を読み始めたけど時間がかかり過ぎてなかなか読み終えれない
これらの例のように、英文を読むスピードが遅いことに悩む英語学習者はとても多いです。
英語を学ぶ人ならば誰しもが悩むこの問題ですが、今回は、英語を早く読むにはどうしたらよいのか、具体的な勉強方法や、英語を早く読めるようになる原理を詳しく紹介します!
根本的なところから詳細に解説するので、少しばかり長い記事ですがお付き合いください!
もくじ
英文を早く読むために必要な英語力とテクニック
英語の試験を早く解ける人が持っているものは二つだけで「英語力」と「テクニック」です。
この「英語力」を身に着けるための詳しい勉強方法ついて、この記事では解説するのですが、「テクニック」とは何かという説明を先にしておきますね。
「テクニック」とは何か
英語の試験を早く解き終わる人はその試験の一番効率の良い解き方を知っていることが多いです。
自分が受ける試験にターゲットを絞って、それだけのために身に着けた問題を解く技術が「テクニック」です。
この試験の正しい解き方を知っているだけでTOEICにしても100点くらい違ってくることもよくあります。
しかし、このテクニックは対策した試験でのみ有効な方法なので、英語力を上げるという本来の目的から言えば、意味のない事です。
本当に英語力があれば、TOEICであれ、TOEFLであれ、すべての試験で解き方を工夫せずに余裕で解き終わるようになれます。
テクニックは本質的には意味はないですが、身に着けるのに時間がかかる「英語力」と違い、割と短時間で身に着けられ、尚且つ、対策した試験での効果も大きいです。
このような、試験別のスコアの上がる正しい解き方は別の記事で解説しますが、今回は、本当に英語力が上がり、特別な工夫なしに英文を早く読めるようになる「英語力」をつける方法を紹介しますね!
英文を素早く読めるようになるまでの0からの過程
英文を日本語のようにスラスラと読めるようになるまでにどのような過程を経るのか、また、段階ごとの勉強方法を説明します。
Step0 基礎的な単語、文法を完璧にする
英文を読むスピードが速かろうと遅かろうと、英文の意味を正しく理解できなければ何の意味もありません。
英文を速く読めるが、読んだ文章の理解度が60%くらいの人と、英文を読むのは遅いが、理解度が90%人ならば、圧倒的に後者の方が伸びしろがありますし、英語というツールを活かすこともできます。
では、どのようにすれば全ての英文を理解できるようになるのかという事ですが、高校レベルの単語、文法を完璧に理解すれば、スラングなどが使用されてないフォーマルな文章が時間がかかろうとも完璧に内容が把握できるようになります。
文章は基本的に全て繋がっているので、途中で理解できない内容があると、そこから先の内容も理解するのが大変です。
一読しただけでは理解できない英文が文章を読んでいる最中に出てきたとしても、丁寧に文法を考えれば英文の構造が必ず分かるので、内容も必ず理解できます。
急がば回れじゃないですが、文法と単語というのは英文を速く読むうえでは欠かせない要素なので、リーディングの勉強を始める前に完璧にしておきましょう。
文法、単語の勉強方法は以下の記事で紹介してるので、参考にしてみてください。
英単語
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英文法
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基本的な文法・単語学習はリーディングの勉強の前には必須!
Step1 一つの英文を音読などを駆使して極める
基礎的な単語、英文法を学習し終えたら、晴れてリーディングの勉強に入ります。
始めは、読む速度が遅いと思いますが、それは当然のことです。
英文を読む速度を上げるためには、英文に慣れなければいけません。一つ例を挙げますね。
There is nothing but music.
この英文を始めてみる人は、「there is nothingだから、『何もない』で、それに続くのが『しかし、音楽』?どういうことだ?恐らくbutは逆説だから、『音楽はある』んだろうな」と文法を理解していると、意味は分かるのですが、とても時間がかかります。
英文を読むのがいつまでたっても遅い人は、理解しただけで次の問題に進もうとしますが、英文を速く読むためには学習した英文の形を頭になじませ、次に見たときに無意識レベルで意味を理解できるようにならなければいけません。
なので、リーディングの勉強を始めて間もない時は、いくら時間をかけてもいいので、最初はじっくり丁寧に問題を解き、その後、学習した英文の復習を徹底的に行います。
この文構造、文中に出てくる単語の意味を完璧に把握し、時間をかけて丁寧に英文の解釈をとる行為が精読です。
精読した後に、その英文を徹底的な復習によって英文を頭に叩き込み、次にthere is nothing but ~が出てきたときに「あ~これ見たことあるわ~なんだっけ・・・そうそう確か・・・」という思考を挟まずに瞬時に意味を理解できるようにすることで、英文に慣れていき、徐々にではありますが、英文を読むスピードが上がるのです。
そして、英文の形とその意味を頭に叩き込む復習方法として最適なのが「音読」です。
一度学習した英文を10回~15回音読することで、英文を完璧に頭に入れることが出来、次に同じ形の英文が出てきたら日本語を挟まずに英語のまま内容を理解できるようになります。
10回~15回音読という徹底した復習をすることで、英文に慣れていくことこそリーディングの勉強を始めたばかりの人には有効な勉強方法なのです。
音読はネイティブの話すCDなどを駆使して行うので、文全体のイントネーションの付け方、英文を読むリズムが身につくといういいところもあるので、とてもお勧めです。
音読はとても大変な作業ですが、ここが一番きつい踏ん張りどころなので、とりあえず15~30ほどのまとまった長文をこの方法で学習してみてください。
この方法のキツいところは、英文を読むことを慣れてないのに丁寧に読むという音読の前の下読み作業が初心者には負担が大きいということと、音読を10回くらいやるというのは意外と体力的にも大変だという2点ですね。
誰しもは最初は英文を読むのが遅いので、下読みの時に読むスピードが遅いことを悲観する必要はないですよ!
音読を重ねるにつれ、音読している文章が爆速で理解できるようになるので、小さな達成感もあります。
精読&音読に使用する教材
このStep1の英文の精読と音読の作業をする際に使う教材は、自分が対策したい試験問題をそのまま使う事をお勧めします。
センター試験の英語が解き終わらない人はセンター試験の過去問を使って精読と音読を、TOEICが解き終わらない人はTOEICの公式問題集を使って精読と音読をすることで、それぞれの試験によく出る語彙や言い回しなども自然と素早く理解できるようになります。
なので、長文読解専用の問題集を使うのは、目的とする試験の過去問や模試をやり終えてからの方が効率が良いです。
音読の詳しいやり方はこの記事に詳しく書いてあるので参照してみてください。
関連記事のIDを正しく入力してください使用する教材に音読用のCDが無く、ネイティブ音声が聞けないから音読できないと困る人もいるかもしれませんが、その場合でも、他の問題集に目移りするよりも、自分が対策したい試験問題の過去問や模試ををネイティブ音声なしで、自分で音読するのが一番効率の良い試験対策になります。
ネイティブ音声なしで音読するのは悪い癖がつきそうといった不安もあるかもしれませんが、そもそも簡単には悪い癖が付くことはありませんし、発音の勉強は後から別にすることで、万が一悪い癖が付いたりしても改善できます。
なので、まず最初は自分が対策したい試験問題集を教材として極めましょう!
自分が対策したい試験の過去問・模試を精読&音読する!
Step2 英文の読み方を学び、それを多くの教材で実行してみる
過去問や模試などで、精読と音読をして、ある程度「英語そのもの」に慣れてきたら、次は以下の事を意識しながら多くの英文を読む、多読をやっていきましょう。
分からない単語が出てもいちいち調べない
Step1では音読する前に時間がかかってもいいから、丁寧に英文を読むという精読をしたため、分からない単語が出てきたらその意味をいちいち調べる丁寧な学習を音読の前に行いましたが、Step2では精読は行いません。
分からない単語が出てきても、文脈から意味をとらえようと心掛け、文脈からの推測が出来なくてもその部分の理解を一旦放棄して、文章全体の大まかな主張を掴むことを意識しましょう。
問題を解き終えたり、文を読み終わってどうしても気になる単語があれば最後に意味を調べておきましょう。
全体像を掴むことを意識する
一つの段落(パラグラフ)には基本的に一つの主張が織り込まれています。
なので、前の段落との繋がりや次の段落の主張との関係性を予想することを意識しながら英文を読むと、試験の問題が解きやすくなりますし、TOEICなどの試験を想定しなくても、文章を要約する力も養われ、次に来そうな文の内容も大まかに予測できることが多くなります。
段落(パラグラフ)ごとの主題と、段落ごとの関係性を考えながら読む、全体を俯瞰する読み方は慣れないうちはちょっと難しいのですが、これが出来るようになればさらに英語力が上がること間違いなしですので、チャレンジしてみる価値はあります。
この記事でも項目ごとに最後にpointとして要点をまとめていますよね?英文を読むときも自分で要点をまとめられれば次に来る英文も大体予想できるようになりますよ。
以上2つの事が出来るようになれば、さらに英文を読むスピードが速くなることは間違いないです。
要は日本語のように、ある程度先を予測しながら、一か所で止まらずにスイスイ読み進めることができるようになれば英文を速く読むことが出来るんです!
しかし、これらはあくまでも精読と音読をある程度やった後でないと、変に英文を読み飛ばす癖が付いたり、英文の内容を勝手に予測したりする適当な読み方が癖になってしまうので、精読と音読を50文くらいやってから、この方法を試してみてくださいね。
最初はやはり慣れないので難しいと思いますが、徐々に慣れていくと思うので、意識してみてくださいね!
精読と音読をある程度やったら、単語を極力調べず、英文全体の構造を意識しながら多くの教材を読み込む!
2222法と3211法
この多読をしている時期に試してもらいたいリーディングの練習方法が二つあるので紹介しますね。
それは2222法と3211法と呼ばれるものです。
2222法から説明しますね!
2222法のやり方
⓪ 長文を一つ用意する
① 読み始めるところに「始め」の印をつけて、タイマーを2分セットしてから、文を読み始める。その後、タイマーが鳴ったら、読むのをやめ、「1」の印をつけておく。
② もう一度、2分のタイマーをセットして、「始め」の印がついているところから読み始め、タイマーが鳴ったら「2」の印をつける。
③ ②と同じ方法で「始め」から読み、タイマーが鳴ったら「3」をつける
④ ②と同じ方法で「始め」から読み、タイマーが鳴ったら「4」をつける
図解↓
この方法は、最初の2分で読んだ文よりももっと多くの文を読むことを意識しながら集中して英文を読む練習なので、時間を意識することの多い試験中にも落ち着いて速く読むことができるようになりますし、基本的には、前の2分で読んだよりも多くの英語を読めるので、成長を感じ取れて楽しいですよ!
3211法のやり方
基本的には2222法とやり方は同じです。
「始め」の印をつけ、決まった時間になったら最初から読み直すという方法ですが、3211法では最初は「3分」次は「2分」その次は「1分」最後に「1分」と徐々に時間を短くしていくので、より早く読むことを意識せざるを得ず、精神的にも大変ですが、その分、効果も大きいので、難しいことにチャレンジしたい人はこちらも試してみてください。
Step3 英字新聞、洋書、漫画、洋画、YouTubeなどを使って試験英語じゃない英語に慣れる
ここまで紹介してきたのはセンター試験やTOEICなどの試験英語で出てくる長文を素早く読み解き、出来るだけ早く試験を解き終われるようになる方法でした。
しかし、英語学習は試験だけで収まるものではありませんし、試験だけのために英語学習をするのはもったいないです。
TOEICなどの試験で良い結果を残せたら、そこから視野を広げて、英語を使った読書や動画視聴、英会話などにステップアップしてみると、試験勉強中には気付かなかった英語の難しさ、英語の楽しさに気付くことが出来るんですよね。
試験は出てくる単語などもある程度限られているので、勉強しやすいですが、洋画や英会話、洋書などの勉強となってくると、知らない単語、スラングなどが沢山出てきて、また壁を感じるかもしれません。
しかし、英語を使って、他の日本人にはできない楽しいことを見たりしたりして初めて、英語学習が報われるというものです。
しかも、TOEICである程度結果を出していれば、洋画を字幕なしで見たり、英語を自由に操れるくらいに英会話を上達させる事、洋書を辞書なしで読めるようになる事がいよいよ現実味を帯びてきます。
英語を使って物事を楽しめるという理想が手を伸ばせば届く距離にあるという事実が高揚感を与えてくれて、ますます英語学習が楽しくなりますし、英語の難しさに打ちのめされたら、今英語が出来る人も最初は全然できなかったという事実を思い出せば頑張れます。
このサイトでも英語に関する面白いコンテンツ(書籍、映画、音楽、YouTube、ゲーム)などを発信していくので、試験勉強だけを目標に英語を勉強してきた人は、そちらも覗いてみてください!
新たな目標が見つかると思いますよ!
やってはいけない勉強方法「スキャミング」
英文を速く読むための勉強方法でやってはいけないのが、俗にいう「スキャミング」という方法です。
これは、試験問題の設問に応じて、重要な部分だけを読むという飛ばし読みの方法なのですが、こんなことをしていたらいつまでたっても英語力が伸びません。
第一、TOEICにしろ、TOEFLにしろ、英検にしろ、センター試験にしろ、試験に出題された英文の全文を余すことなく読んだとしても、試験を解き切れるように設定されて作られています。
なのに、スキャミングをしないと英文を読むのが間に合わないという人は、単に英語力が足りていないだけです。
ならば、英語力を上げるのに一向に役立たないスキャミングという付け焼刃の方法を学ぶのではなく、一つの英文をじっくり精読して、それを音読することで自分の力に変える地道な方法で英語力を上げた方が良いです。
試験問題はすべて読んでも解き切ることが出来るということを忘れなければ、このような悪いテクニックに手を染めなくてよいと思うので、試験問題は全て読んでも本来は解き切れるものという事を忘れないようにしましょう。
最後に
英文を速く読めるようになる方法を0から解説してきました。
やはり、これだけを知っていれば英文を速く読めるという魔法のような方法は紹介できませんでしたが、徐々にではありますが、確実に英文を速く読めるようになる方法はこの記事で書かれていることしかありません。
とても時間がかかりそうな方法ですが、音読スピードが上がっていったり、精読が徐々に早くなっていったりと、小さな成長をたくさん感じられる方法で充実感も感じられるので意外と続く方法だったりもします。
騙されたと思って、一回、やってみてくださいね!