第二言語習得論とは・・・?
第二言語をほぼネイティブに近い並みに習得する人たちは、どういう風に第二言語を習得しているのか、また、吸収力の高い子供ではなく大人になってしまった私たちが、どういう勉強をしたらネイティブ並みの発音や単語のチョイスといったネイティブの感覚が身につくのかという方法を科学的に研究したものが第二言語習得論です。
第二言語習得論関係のいくつかの情報を集めて、使えると思うエッセンス部分を基にした英語学習方法を紹介します。
もくじ
第二言語習得論のエッセンス
では本格的に第二言語習得論から導き出された英語の勉強法を紹介していきますね!
四要素の捉え方
英語能力には大きく分けて、四つの要素が存在します。
リーディング、リスニング、ライティング、スピーキング
ですね。
第二言語習得論ではこれをレセプティブスキルとプロダクティブスキルの二つに分けます。
レセプティブスキルとは受け身のスキルの事を指します。
リーディングとリスニングのことですね。
一方、プロダクティブスキルとは自分から発信するスキルの事を指します。
ライティングとスピーキングですね。
まずレセプティブスキルとプロダクティブスキルの2要素をしっかりと把握することが大切です。
日本ではリーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの四つに分けて別々に学習させられるのが学校教育などでありますが、これはかなり効率が悪いです。
レセプティブスキルとプロダクティブスキルは何を基準に分けられているのかというと、学習の際に使う脳の場所です。
つまり、リーディングとリスリングを学習する際の脳の使う場所は一緒なのだから、レセプティブスキルという一つのカテゴリにして、一緒に勉強する方が効率がよいということですね。
逆に、ライティングとスピーキングの両者も学習する際の脳の使う場所が一緒なので、ライティングとスピーキングを一緒に勉強する方が効率が良いというわけです。
レセプティブスキルとプロダクティブスキルを学ぶ順序
第二言語習得論では
レセプティブスキル→プロダクティブスキル
という順序で学ぶのが一番効率が良いとされています。
どのように学習するのかを例を使って説明しますね。
例文
His landlord was taken aback to hear he was leaving because he couldn’t afford to buy any more chocolate.
(彼の地主は、彼がもうこれ以上チョコレートを買う余裕がなくなったので出ていくという理由を聞いてびっくりした)
このような例文を
レセプティブスキル→プロダクティブスキルの順で学びます。
レセプティブスキルを学ぶ
まずリーディングとして、分からない単語、構文、を調べて文意を取ります。
文中の単語、熟語
・landlord (地主)・take~aback(~を驚かせる、びっくりさせる)
・can afford to (~する余裕がある)
この際、単に文意を取るだけでなく、使えるフレーズを含んだ文だなと思う場合は文ごと暗記します。
この例文だと、驚いたということを表現する際に、「take~aback」という表現を受動態で使えるということが後々、様々な場面で使えそうですね。
次にリスニングをします。
英語教材には読み上げCDがついてきていると思うので、そのCDを使って、それぞれの単語の発音、文全体の強弱の付け方、イントネーション、ユニゾンなどを意識して聴きます。
レセプティブスキルからプロダクティブスキルへの移行
例文を使ってレセプティブスキルを学習した際に、身に着けた有用なフレーズなどを実際に使ってオリジナルの文章を作っていくライティング、オリジナルの文章を実際に発音してみて、発音を確かめるスピーキングをやっていきます。
例(can afford toを使ってみる場合)
I can’t afford to study English.
例2(take~abackを使う場合)
I was taken aback to know she was a criminal.
上のように簡単なものからで構いませんので、何個か作ってみて、出来れば添削を受けるのが良いでしょう。
英文添削サービスという便利なサービスがあるので、そちらをつかって、自分で作った文を添削してもらうのもいいですし、オンライン英会話や英会話カフェなどで正しい英文かどうかをイングリッシュスピーカーにきいてみるのも良いですね。
この、覚えた表現を即座に無理やりでもいいので使ってみるというのが、第二言語を習得するうえで一番重要なことです!
ライティングが終わったら、スピーキングですね。
ライティングの勉強をするときに使った例文やそれを基にして自作した英文を音読したり、イングリッシュスピーカーと話すときに実際に使ってみたりします。
これも、オンライン英会話など何かしらのサービスを使った方が効率がいいです。
(オンライン英会話などは、初心者でもできる考えられたカリキュラムが組まれていますが、フリートークの時間もあるのでそれを活用します。)
このようにして、自分が使えるフレーズを少しずつでもいいので多くしていって、会話能力を豊かにしていくのです。
+α ディクテーションを活用
レセプティブスキルを身に着ける際に行うリーディングの前にディクテーションをすると、より、リスニング、スピーキングの際に注意することが鮮明になり、効果的になります。
結論
第二言語習得論のエッセンスをまとめてみて気付いてのですが、このやり方ってそのまんまオンライン英会話のカリキュラムなんですよね。
オンラン英会話のカリキュラムが学問的にも認められている方法を使っているというのは結構驚きました。
学術書を調べてカリキュラムを組んでいるのか、学習方法を研究していたらその方法に行き着いたのかは謎ですが・・・
オンライン英会話や駅の周辺にあるライザップやトライズような英語スクールは、必要な情報、フレーズをあらかじめ精査してくれているので、任せるだけでよいのですが、一人でやろうと思うと、今回紹介したやり方に加え、教材となる文を自分で決めなければならないため、時間がかかります。
時間のある方はそれで良いですが、短時間で英語を使えるようになりたいという方はやはりオンライン英会話やライザップといったサービスを利用したほうが早いでしょう。
参考文献
この本は英語学習者に向けられて書かれたものというよりは、英語指導者に向けて書かれたものであるため、学習者にとっては正直、どうでもいい情報も多く書かれています。
学習方法を知りたいという方にはお勧めはあまりできませんが、第二言語習得論そのものに学術的に興味のある人は読んで面白いと思います。